Fairy of Forest

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CR7 Coming Home

クリスティアーノ・ロナウドマンチェスターユナイテッドに帰ってきた。ロナウドと聞けばサッカーを全然知らない人でも耳にしたことがあるだろう。

 

昨シーズンまでイタリアのユベントスにいた彼だが、8月中旬に突然、同じ歳のライバルチーム、マンチェスターシティに行くという報道が出た。

「シティのユニホームでプレーするロナウドなんか見たくない!」と多くのユナイテッドファンが思っただろう。当然僕もそうだった。

この移籍話が破談になることをユナイテッドファンの誰もが祈っていた。

 

その次の日の朝、ユナイテッドがロナウドを獲得したという公式発表を見た。まさに寝耳に水だった僕はこれが夢でないかと疑った。だが本当だった。

あのロナウドが帰ってくる。それだけで今シーズンのイングランドプレミアリーグが何倍も楽しみになった。

 

僕がマンチェスターユナイテッド(以後ユナイテッドと略す)というクラブが好きになったのはなんといってもデイビッド・ベッカムというスーパースターがいたからである。なびくブロンドの髪、正確無比なクロス、そして世界最高峰のフリーキックベッカムが子供たちに自分のフリーキックを教えているDVDを買ってもらい、真似をして何度も練習した。(お陰でロングボールを蹴るのが上手くなった)

 

そんなベッカムはスペインのビッグチームであるレアル・マドリードに移籍した。そのタイミングでベッカムの背番号を引き継いだのがポルトガルから来たクリスティアーノ・ロナウドだった。加入前にポルトガルスポルティングリスボンに所属していたロナウドは、プレシーズンマッチ(シーズン開幕前の練習試合みたいなもの)でマンチェスターユナイテッドと対戦した。そこでロナウドの才能に魅了された当時の監督、サー・アレックス・ファーガソンとクラブの幹部がそのままロナウド口説き落として加入に至ったという経緯がある。

 

もちろん当時はまだ無名である若い選手だったため、ベッカムの後の背番号7を付けることに疑問の声も少なからずあがった。(当時はロナウドと聞くとブラジルの怪物ロナウドがいた)僕はまだベッカムのファンであったため、そのままレアル・マドリードの試合をよく見るようになった。

 

そんな僕をまたユナイテッドファンに導いたのは背番号7のクリスティアーノ・ロナウドだった。加入当初は生粋のドリブラーだったのが、とにかく点を取るストライカーに変貌していた。そんなユナイテッドはロナウドの活躍もあり、ヨーロッパNo. 1を決める大会のチャンピオンズリーグの覇者となった。そしてクラブの世界一を決める大会クラブW杯の開催地、日本に来た。もうユナイテッドの虜になっていた僕は日産スタジアムで開催されたG大阪戦を観戦したのは良い思い出である。

 

その後ロナウドは少年時代からの夢であったスペインのレアル・マドリードに旅立っていった。それと同時期にマンチェスターユナイテッドの黄金期は終焉を迎え、かつてほどの強さは失われつつあった。

 

ロナウドという選手の真骨頂はストイックなところだと思う。とにかく練習、練習、練習。徹底的な自己管理によって37歳になった今でも衰え知らずのパフォーマンスを見せつけている。独自の食事法や、現代科学に基づいたウェイトトレーニングといった一切無駄のない生活を送っているらしい。

 

社会慈善行為にも積極的であり、海外では多くのプロスポーツ選手がタトゥーを入れているが、献血が出来なくなるからという理由でタトゥーを入れていない。日本で行われたスポンサーのイベントでは、少年がロナウドに対してポルトガル語でメッセージを読む時に記者がその辿々しさに少し笑ったところ「なぜ笑うんだい?彼のポルトガル語は上手だよ」と神フォローをいれる聖人っぷりもある。(なおこの少年は後に全国高校サッカー選手権の本戦に出場し活躍していた)

 

プレーヤーとしては言わずもがなである。世界最高のサッカー選手を決める賞であるバロンドールを7回も受賞している。ストライカーとしてはサッカー史上最高と呼び声高く、歴代最高得点記録、歴代最高代表得点記録を保持している生ける伝説である。ストライカーとしての能力を全て兼ね備えていて、どんな状況でもゴールにボールを捻じ込む力がある。

 

チームリーダーとしても評価が高く、2016年のヨーロッパ1の国を決める大会EURO2016では決して個人の力では優勝候補とはいえないポルトガルのキャプテンとして数ある列強を押しのけて優勝した。しかも決勝でロナウドは無念の負傷交代になるものの、まるで監督のようにチームを鼓舞し続けた。

 

そんなロナウドマンチェスターユナイテッドに戻ってくる。ユナイテッドファンにとって最大の関心事になっているが、それに関わらず世界のサッカーファンにおいても大きな注目を集めている。現時点で37歳になっている彼に多くの時間が残されているわけでもなく、そして全盛期の働きが観れるとも限らないが、今なお世界最高峰であるロナウドのプレーがマンチェスターユナイテッドで見れることが心から嬉しい。

 

そして優勝から遠ざかっているマンチェスターユナイテッドにタイトルに連れて行って欲しい。