Fairy of Forest

環境保護のブログではありません

9

 先日、工藤壮人選手が、まだ32歳という若さで、水頭症のためこの世を去りました。

 

 亡くなる前にICUに入っていることが報じられた時は、また復帰してピッチに立ってくれるだろうと信じていましたが、その後死亡が報じられました。

 

 

 

 

 

 工藤はユースからデビューした時から見ている選手だったし、レイソルで3つのタイトルも共に獲得した選手だし、本当に思い入れの強い選手です。

 

 工藤のユース世代は現在日本代表として戦っている酒井宏樹をはじめとした黄金世代であり、酒井の他に武富、島川、仙石、山崎、比嘉、指宿といった選手が何人もプロ入りしました。その中でも工藤と酒井は柏にとってとても重要な選手になってくれました。

 

 柏の黄金期と言えるJ1に昇格即優勝、そしてそこからの2シーズン連続でのタイトル獲得するわけですが、その中で工藤は着実に実力をつけ、不動のエースとなっていきました。レイソルの中心選手でタイトル獲得の立役者となってくれました。

 

 身体能力が特段高いわけでもないし、フィジカルに優れているわけでもないが、とにかく虎視眈々とゴールを狙うストライカーとして第一次ネルシーニョレイソルの象徴的な選手の一人でした。

 

 その活躍が認められて日本代表にも呼ばれました。そしていつの日か柏の誇りと呼べる選手になったのです。

 

 守備はサボらないし、気の利くポジショニングでチームを助けてくれる。泥臭くゴールを決め、レイソルのエンブレムを指差すセレブレーション、そして父親の職業である警察官を表す敬礼。

 

 バンクーバーに行くためにチームを離れる際は彼の挑戦を後押しするばかりでした。長年の夢であった海外挑戦、その後レイソルに帰ってきてくれると思ってましたが、慣れ親しんだ環境ではなく他チームへ。ファンの間でも僕自身も裏切られたような気分になったのは確かです。でも、彼が常に挑戦し続ける人間であることはその後のキャリアを見るととてもよくわかります。

 

 亡くなった後、元チームメイトのコメントを読んでいると、どれだけ彼が人格者であったか、謙虚でいながら盛り上げ役であり、プロとして素晴らしい選手であったかがよくわかります。

 

 広島、山口、ブリスベン、宮崎とさまざまなチームを渡り歩いた工藤。行く先々で奢ることなく真摯にサッカーに取り組んでいたことが、さまざまな選手に慕われる証拠だと思います。

 

 そんな選手の命を落とさせるなんて、神様はいくらか残酷すぎると思います。ネルシーニョは彼の人生はこういうものだったんだと割り切るしかないと言ってました。それでも、悲しいです。

 

 先日の福岡戦、声出し応援が出来たということで黙祷の後、工藤のチャントが歌われました。

 

 

 最初聞いた時はエキセントリック壮人ってなんやねんと思ってましたが、やっぱり工藤のチャントはこれだよね。久々に聞くことができてよかったです。

 

 ちょっと言葉に言い表せない感情がまだ渦巻いているのですが、とにかく前を向いてこれからもレイソルを応援していこうと思います。

 

 

 

 沢山のゴールを、沢山の勝利をありがとう工藤。

おつかれさまでした。ご冥福をお祈りします。f:id:kitashimisa810:20221031174817j:image